「私、見てきますね」
そう言った幸崎が中に入って、数分もかからないうちに出てきた。
その後ろに千夜がいないことに思考をめぐらせていたら、幸崎が口を開く。
「手伝ってもらっていいですか?」
「………」
これ、と指さされ、中をのぞけば千夜の扉の前に置かれているのは、水の入ったバケツが数個。
たぶん、察するに用具入れの中にあったものだろう。
「姑息だよね、やることが」
どうせ総会に参加しているメンバーしかいない上に、貼り紙がされてる。
誰も来ないだろう、と湊人と中に入ってバケツを退けると、千夜が出てきた。
「大丈夫か?」
「うん……大丈夫」
千夜はそう口にするものの、表情がすぐれない。
……ったく、ちゃんとはじめに忠告したのに、手出したのはどこの女だよ。
「やっぱりお前、俺から離れるな。
湊人、悪いが後は任せてもいいか?」
「特定出来たら連絡する」
千夜を連れてそのまま総会を行っている倉庫を出ると、DECIDEの倉庫にもどる。
そのまま何も言わずに総長室にもどる俺に、千夜は「雅?」と首をかしげた。
「総会、出なくていいの……?」



