みんなで一通り騒いだ後、私はそう言って輪の中から抜けた。
誰かに言ったほうがいいのかもしれないけど、一薫、一騎、ヒナくんはまだみんなと騒いでいて。
湊人は相変わらず倉庫で復旧作業に追われてるようで、雅は傘下のチームの総長さん数人と何かを話していた。
「数分だけなら大丈夫かな……」
お手洗い、そんなに時間かからないし。
すぐそこにある階段をのぼって、女子トイレに入る。総会はほかにも女の子達がたくさん来てるから、人の話し声がする。
「……あれ?」
用を済ませ、個室から出ようと鍵を開けたのに。
ドアが開く気配がなく、引っかかっているんだろうかとさっきより強く押してみるけれど、まったく開かない。
まさか……閉じ込められた?
「ほんと、ざまあみろって感じ」
「だよねー。
傘下の女から南さんの彼女になるとか、ふざけてんでしょ」
ドアの向こうから聞こえた声に、それが事実だと確信する。
声を聞いた限り、さっきまで一緒にいた女の子たちじゃない。べつの子たちだ。
とりあえずなんとか出なきゃ、とポケットに手を入れた瞬間、さあっと顔が青ざめていく。
そうだ……着替えた時に、ケータイを入れ替えるのを忘れて……
「馬鹿だ私……」
どうしよう。
こんなことなら、誰かに声をかけてから来るべきだった。
自分の行動を後悔したところで、もう遅い。
小説や漫画の世界みたいに、好きな人が助けに来てくれるわけじゃない。──だけど待つことしかできないから、誰か来てくれますように、と小さくため息をついた。



