「あ、ブーケトスするんだって。行ってくるね」
「はいはい、いってらっしゃい」
「もう、なんでそんな不機嫌なのよ」
どうやら本気でわかっていないらしい彼女にあきれてため息をつく。
そうすれば、不意に右肩が重くなって、視線をそっちに向けた。
「苦労してるじゃねぇの」
「……一薫。ほんとだよもう」
なんであんなにも鈍感なのか……って、あ。
「ふ。予定通り花嫁サマはお前の彼女にブーケ投げてくれたみたいだねぇ」
「……そうしてもらわなきゃ困るんだけど」
「まぁ、乃花ちゃんこの間結婚したしな~」
ブーケを手にもってこっちに戻ってくる彼女を見て、一薫は俺から離れていった。
「湊人。ふふっ、あのね。
次は私たちの番かなぁ、なんて──」
ふっと息を落として、嬉しそうな彼女の頭を撫でる。──そして。



