「わざわざ家まで来るんだもんね。
抱いてあげれば、満足する?」
「違っ……」
「じゃあ、なに?」
彼女の言葉が音になるよりも早く、唇をふさいだ。──そして、彼女のブラウスに手をかける。
「っ、やだっ、」
「嫌?
しつこく押しかけてくるんだから、これぐらいの覚悟はあるんでしょ?」
はらはらと、涙が落ちるのを見て、そういえば彼女のことをよく泣かせてるな、なんて思う。
笑ってくれることも、当然多かったけれど。
どうしてか、俺の記憶には、泣いてる彼女のほうが鮮明に焼き付いてる。
「っ、やだ、湊人、」
身をよじる彼女をさらに強く押し付けた時、閉ざしていたはずの扉が開いて。
「湊人、何してんだよ……!!」
ばっと、彼女から引きはがされた。
……ユキが、なんでここに?



