優しく体を離してそう言えば、奈津美は笑顔で頷いて俺と手をつないだ。
「じゃあね、みんなっ。また明日」
ふたりで歩き出して、「どこに行きたいの?」と問いかければ。
「湊人と一緒なら、どこでもいいよ」
──そうやって笑ってくれるから、安心する。
高校に入って、すこしばかりオシャレに力を入れている奈津美は、中学の時よりも断然大人っぽくなった。
優しい性格はそのままだから、高校に入ってかなりモテてるんだと、ユキからも前に情報をもらった。
だからこそ、普段一緒にいられないのが、心配で。
「そうやって、俺のこと惑わせないほうが良いと思うよ。
──持ち帰りたくなるでしょ?」
「っ……」
「さてと。この間行きたいって言ってたパンケーキの店でも行こうか」
「覚えててくれたの?……大好き」
「……調子に乗ってたら持ち帰るけどいいの?」
──俺の言葉に一喜一憂する彼女のこと、信じて疑わなかったんだ。



