「──湊人!」
聞きなれた彼女の声に、視線を上げる。
勢いのままに抱き着いてきた奈津美を抱きしめ返して、「おかえり」と声をかけた。
「えへへ、迎えに来てくれてありがとっ」
──ここは、奈津美の通う高校の校門前。
放課後にデートがしたいという彼女のお願いで、奈津美よりも先に授業が終わった俺は、彼女を迎えに来たというわけだ。
嬉しそうに微笑む奈津美の頭を撫でると、視界の先で見覚えのあるヤツが、こっちに歩いてきた。
「湊人!?ひさしぶりじゃね!?」
「……ユキ」
そうか、奈津美とユキは同じ高校だったっけ。
どうして奈津美と同じ偏差値の高い高校にユキがいるのかと問われれば、ユキがスポーツのほうで推薦をもらったからだ。
一応、ユキは元々サッカー部で頑張ってたし。
「あー、なるほど。デートですか」
ニヤニヤと笑みを浮かべるユキに、チッと舌打ちする。



