「気にしないでよ。
彼女を送るぐらいの時間ならあるから」
「っ……うんっ。
じゃ、じゃあまたねっ」
「ん。またね──奈津美」
「っ……!」
踵を返して、たまり場のほうへと歩みをすすめる。ちらりと振り返ると、奈津美は両手で顔を覆っていた。
たぶん、真っ赤になってるんだろうな。
想像して、思わず口元がゆるんでしまった。──ああ、もう。付き合ってまだ2日目なのに、割とハマってるかも。
「雅に自慢しようかな……」
ぽつりと、同い年で無駄に美形な男の名前をつぶやく。モテるくせに彼女はいない。
まぁ、それを言えば俺も同じようなものだったんだけど。
「クリスマスデート、か」
思えば、彼女とクリスマスに出かけるのは初めてなんじゃないだろうか。
何度か付き合ったことはあるけれど、長続きしなかったし、どれも季節は冬じゃなかった。
「今年はちょっと楽しみかも……」



