いつかの頃からの夢。



パパとママみたいに、いつまで経っても仲良しでいられる夫婦になりたい。



「……千夜」



「うん?」



「愛してる。

いつか、これも本物渡してやるから」



少し前に、雅がくれた左手の薬指に光る指輪。それを見て、こくりと頷く。



出会った時は、あんなにも悲しくて苦しかったのに。




「雅、だいすき」



今は、どうしようもないぐらい幸せで。



「ぎゅって、して」



「……それだけじゃ済まさねぇから、後でな」



「親の前でそういうのは結婚するまで禁止な」



パパが遠まわしにいつか結婚することを認めてくれているのに気づいて、頬を緩めつつ。



これからも隣にいさせてほしいと、今日だけはパパの言葉を無視して、彼の頬にキスした。