──……
「わざわざ魚見るためにアレだけ人が集まるっていうのも、すごいもんだな」
「やっぱり、疲れたよね……?
ごめんね、雅。私のわがままで……」
水族館に行ったのはいいんだけど、とてつもなく人が多くて。
元々人混みが嫌いな彼は、軽くまわっただけでも相当疲れたらしい。
「どうせ連れてくるなら、
〝ごめん〟じゃなくて〝ありがとう〟の方が俺は嬉しいけどな」
「……わざわざ私のために連れてきてくれてありがとう」
そう言ったら、「ん」と微笑んだ雅が、私を引き寄せた。
「周りに人いるよ……っ」
「どこもかしこもカップルばっかりだから、誰も気にしてねぇよ」
「充電」なんて言われたら、もう逆らえるわけもなくて。その背中にぎゅっと腕を回す。
「……家行くか。
俺の母親もお前のこと気に入ってるし、この時間だと昼飯どこも混んでるだろ」
「え、え、突然行ったら迷惑掛かるんじゃ、」
「迷惑だったら初めから言わねぇよ」



