「パパ」 「ん?」 「ありがと……もう大丈夫」 離れるんだから、 言ってもいいんだよね。 それでもう、姫もやめよう。 こんな気持ちで梓真のそばになんて、いられないから。 雅にちゃんと、自分の気持ちを伝えて。 「落ち着いたか?」 「うん」 ──何もかも、手放す。 それでいいんだ。 どっちにしたって雅のそばにはいられなくて、梓真の隣にいることもできないんだから。 「ごめんね、引き止めて。 ママのところ、戻ってくれていいよ」