『あ、そうだ千夜ちゃん』
「な、なに……っ?」
『心配しなくていいよ。
──ミヤは、千夜ちゃんを手放す気ないみたいだから』
え、と。
小さく声を漏らしたときには、「またね」と電話の向こうから優しい声が聞こえて。
引き止める間もなく、電話が切れた。
……え?
「ど、どういうこと!?」
手放す気ないってどういう意味!?なんて思いながらも。
雅と離れたくないって思いが強くて。
「っ、」
ずるずると、その場にしゃがみ込んだ。
雅の隣にいるべきじゃないってことは、十分理解してるのに。
それでも……そばにいたい、なんて。



