「あ、え、っと……うん……
2週間ぐらいしか経ってないからびっくりしただけ……」
お願いだから、気がつかないで。
『そっか。
千夜ちゃん、明日ひまかな?』
「あ、あのね、
明日は家族で出掛ける約束してて、」
気づかないで。
気づかれたら……
『わかった。じゃあ、月曜の放課後にまた誰か迎えに行くからさ。
その時に溜まり場来てくれる?』
「う、うんっ、わかった」
涙が、止められなくなるよ。
ただでさえ、視界がぼやけてるのに。
絶対に気づかれないように、軽く唇を噛んで。
「あ、ごめん……ママに呼ばれちゃった」
『あ、ほんとに?忙しいのにごめんね。
じゃあ、また月曜日』
「うん。またね」
ごめんね、湊人。
裏切ってなくても、私は嘘つきだよ。



