「ママ……」



「優しくされたら好きになっちゃうのは当たり前よね」



くすくすと笑うと、千夜ちゃんはすこし恥ずかしそうにはにかんだ。



「かわいいわね、千夜ちゃん。

恋してるって顔になってるわよ」



「へっ、そんな顔に出てる……!?」



「ふふ、うん」



顔を赤く染めた千夜ちゃんの頭を優しく撫でる。




「お昼まだ食べてないわよね?

そろそろお昼にしましょうか」



「う、うん。

……あの、ママ」



「なぁに?」



「ありがとう」



「ふふ、どういたしまして」



立ち上がって、お昼の準備をしてる私に、ずっと千夜ちゃんは抱きついていて。



この子がどうか幸せになれますように、と、本気で願った。



【識音sideend】