耳元で、宮が小さく笑う。それから、私の千夜ちゃんと同じ色の髪を指先で梳いた。
「千夜の前ではふわふわしてるくせに、」
「………」
「俺の前では、いつも直球だな。
誤魔化しのひとつもない」
「もう、すれ違いたくないの」
彼の顔を見上げたら、私の言葉を聞いた彼の口角が微かに上がる。
そして。
「ここでいいか?」
「それって、押し倒してから言うことなの?」
ソファに押し倒されて口を開けば、彼は「そうだな」と笑って私に口づけを落とす。
千夜ちゃん、大丈夫かしらね。
さっき、ちょっと電話で探りを入れてみたんだけど。
あの子が好きなのは、きっと迎えに来てくれた彼の方だ。



