君はそれが分かっていて



それでも君は待ち続けるんだね



もしかしたら、その人もココに書物を読む為に来るんじゃないかと



けれど、現実は非情なものだ



季節がいくら巡ろうとその人が現れることは決してない



それでも君はその人の書物を何度も何度も読み続ける



そんな君に私がしてやれることはほんの些細なことだった



春には新しい芽を出し



夏は青葉で陽射しを和らげ



秋は落ち葉で座布団を作り



冬は静かに佇むだけ



本当にそれだけしか私は君にしてやれないのだ