“彼女”から“妻”になった俺の姫は相変わらず綺麗……



それはキスを繰り返している時も一緒でだんだん体が熱くなってきて甘い声がもれそうになった瞬間……



―一コンコンッ! 



いい雰囲気の終わりを告げるノック音。なおはその音に驚いて俺を思いっきり突き飛ばす。



バランスを崩した俺はそのまま床の上。



「〜〜てぇ!突き飛ばすことないだろ?」


「ノックされてるのに離れようとしないからじゃんっ!!」



あーあ。すっかりいつものなおちゃんだよ。



数時間前は本物のお姫様だったのにさ!



「直哉さん!なおさん!二次会会場行きまでのタクシーが参りましたよ♪」



鮎川さんに言われて外へと歩いていく俺たち。



その時……



『おめでとうございまーす!!!』



う・・うそ・・・。



建物から門のタクシーまで今日俺たちの式をサポートしてくれたたくさんスタッフの人たちが並んで拍手で見送ってくれた。



「うわ……これは感動するなぁ……」


「やばい。私、泣きそう」


「俺も」



一人一人にお礼を言って一番お世話になったプランナーの鮎川さんにもお礼を言ってタクシーに乗り込んだ。