それから1か月。

僕は何もせず、ボーッとしていた。





あの長文メールに、僕は返信していない。

あのまま放置した。




どうしよう。

前から抱いていた疑問の答えが合っていたんだ。

僕らがお互いに嘘をついていることがわかったんだ。

お互い様だったんだ。




何でこんなにも悩んでいるんだろう?





「彷徨。
最近元気ねぇなぁ」




ピコーンピコーンッとテレビゲームをする兄貴。

何で自分の家でやらないんだ。

父さんが死んでからも同じアパートで暮らす僕の家よりも、兄貴の家の方が広いじゃないか。

本当、不思議な兄貴だ。




「そんなに手紙送るの好きだったのか?」



ゲームをセーブして切った兄貴が、聞いてくる。




<手紙は好きじゃない。
文章考えるのは苦手だから>




普通、ならね。