「優羽っ!」 勢い良く開けたいつものドア。 「どちら様ですか…?」 いつもと違うのは、優羽が驚いたような顔を僕に向けていること。 「ふふっ、葉山さんお疲れさま」 電話を掛けてくれた看護師さんは、微笑みながら汗だくの僕を見て笑った。 「ははっ…タクシーなんて頭回らなくて…」 面目無いと頭をかく僕に、看護師さんが近づいてきて 「葉山さん、少しいいかしら」 急に真面目な顔をして耳元で囁き、僕を病室から移動させた。