そんな時、病院から一本の電話が入った。











「もしもし、葉山さんですか?城川さんが、前日の記憶を忘れずに目覚めました!」










慌てた声で、看護師さんであろう人が捲し立ててくる。     









「す、すぐに向かいます!!」








そこからはもう、がむしゃらだった。









ただ、優羽の顔が見たくて、話がしたくて。









覚えられるようになったのなら、今日から優羽とまた新しい日々を積み重ねていけばいい。









もう一度始められる。









そんな思いを胸に、病院までひたすら走って、足を動かした。











心臓がはちきれそうだったけど、優羽が待ってると思えば不思議とその足はどんどんスピードをあげた。