静かな廊下においてある長椅子に優羽のお母さんと2人、肩を並べて座る。 目の前のドアの上には手術中のランプ。 あのあと病院に搬送され、2人ともすぐに手術室へと運ばれた。 かれこれ、もう1時間半が過ぎようとしている。 祈るように手を組み、ランプが消えるのを今か今かと待つ。 「泰輝っ!」 静かな廊下に響いたのは、聞き慣れた母さんの声。 「お父さんは!?雅哉さんは無事なの?!」 かなり断片的な状況しか言ってないせいかひどく混乱した様子だった。