また、明日。





「なんだ?!痛いのか?」





痛みを訴えたいのだろうという僕の予想とは裏腹に、父さんは予想もしてなかったことを口にした。






「ゆう、ちゃんは…っだいじょ、うぶなっ…のか??」






自分の身体じゃなくて他人の心配をする父さん。






「ばかっ!まずは自分の心配しろ!優羽は無事だよ、父さんのおかげで!」






そう父さんに叫びながら何故か頬を伝う涙。






「そ、うか…たいきっ、男なら…好きな、女のと…こ行って、やれ…っ!」





本能が言っているんだ、もう長くないと。





「いやだ…っ、いやだいやだいやだ!」




駄々をこねる子どもみたいに涙を流しながら父さんの身体を揺する。





「ふざけんなよ!かっこつけんな!強がんなよ!」





僕の必死の言葉にも、目をつぶりながら口元を緩ませて動かない。





「勝手なことするなよ!何やってんだよ!」





「たい、き…でっかい、男にな…れ、よ」





そう言って、すべての力が抜けたように父さんは動かなくなった。