「時間もちょうどいいぐらいだね」




「そうだねぇ」




公園の奥にある柵までいくと、木と木の間からはオレンジ色に当たりを照らす大きな夕日が見える。




2年ぶりなのに、何も変わっていないその光景があの頃を再現しているようだった。





「優羽」





「なぁに?」





夕日を見つめながら優羽に言う。





「僕、また優羽とこの場所に来られて本当に幸せ者だよ」




僕の言葉を黙って聴いている優羽。




「来年も、再来年も、シワだらけのじいちゃんばあちゃんになっても、優羽と一緒にこの夕日を見たい」




「…たっくん」





ちょっと涙ぐみながら僕は続けた。





「だから、僕が18歳の誕生日を迎えたら、結婚しよう、優羽」