電車に揺られて15分。 「優羽、着いたよ」 「ん…もうついたんだぁ」 いつの間にか寝てしまっていた彼女を起こして汽車を降り、あの日を思い出しながら道を歩く。 懐かしさを噛み締めながら隣にいる優羽の手をギュッと握る。 「懐かしいねぇ、この道」 ぽそっと呟いた優羽の言葉になんだか口元が緩んだ。 「そうだね」 そう言わないとにやけているのが優羽にバレてしまうぐらいに。