ピーンポーン… 夏休みに入ってちょうど10日が経った日。 不意に自分の家のチャイムがなった。 母にも俺にも家まで訪ねてくるような関係の人が少ないからか、チャイムの音を聴くのは久々だった。 「はい」 インターホンの見方を遠い記憶から何とか呼び起こして操作する。 画面にうつったのは、小柄な女の子。 俺は一瞬目を疑った。 「優羽…?」