「優羽」 自分から出る一番優しい声で話しかける。 あの後病室に戻ってきた僕は、優羽との最後の時間を過ごしていた。 決めたんだ、優羽のために離れるって。 僕が我慢すれば優羽が幸せになれる。 優羽が幸せになることが、僕の願い。 そう心に言い聞かせ、ベット横の椅子に腰掛けた。 「あなたは誰??」 この質問は何度されたかな? 自然に笑みがこぼれてくる。 「僕の名前はね…」