****** むかしから私は、誰かの影に隠れていた。 桃花みたいに可愛くないし、 これと言って頭も良くない。 人見知りだったのだ。 けれど 父の仕事場に遊びに行くようになり、 花に触るようになって私は、すっかり花が 気に入ってしまった。 花はどれも綺麗で誰からも求められる。 私は、綺麗じゃないけれど、 綺麗なものを誰かに与えることができる。 綺麗なものを創り出すことができる。