「『……。蓮花はいま家?』」 ドキッとした。 急に名前で呼ばれたから。 「は、……い。今妹が来ていて……あの、」 「『そ………か。』」 「な、直…昭さんは今、仕事は?」 彼の後ろからはかつかつと靴の音しかしない。 「『いま、蓮花ん家の近くの駅。……ごめんね、 ストーカーみたいなことしちゃって。』」 これは、いわゆる"ごめん、来ちゃった"と いうやつじゃなかろうか! 「え!!あ、……あ、えぇ!」 「お姉ちゃん?どしたの?」 桃花は怪訝そうに私を見ながら様子を伺っていた。