「凛…。
皆の傷の後、あれ……」
「美愛、気が付いた?」
“あの事件”の時、あたしは美愛と一緒にいた。
それに、“あの子”も。
他にも大勢いたけど…彼らが、“あの事件”の?
「何しているんだお姫ちゃん。
一緒に行くよー」
グイッと腕を引っ張られる。
あたしは美愛と一緒に立ちあがった。
そして、聞いてみることにした。
もし彼らが“あの事件”の関係者なら。
“あの子”のことも知っているかもしれない。
「その傷…皆、どうしたの?」
「前に喧嘩して、しくじったんだよ。
あんまり見ていて良いものじゃないだろ?」
ニコッとキラは笑う。
―――その笑顔が、“あの子”と重なる。


