10年の片想い







「てか何で倉庫に行くの?」

「前々から敵対している族に喧嘩売られたので。
買うことにしました」



…そんなアッサリと買って良いのかい?



「では、準備でもしますか」



シュル、と胸元のネクタイを外すカオリ。

そして同時に眼鏡を外した。

眼帯は外さないようだ。




「オッケー」



キラが立ちあがり、袖を捲る。

何故か両腕に、包帯が巻かれていた。

隙間なく、手首から肘まで。




「「はいはーい!」」



ソラとウミが立ちあがり、今度はズボンを捲った。

キラと同じよう、足首から膝まで包帯が隙間なく巻かれていた。

ソラは泣きぼくろと同じ右足に、ウミも左足に巻いている。




目、腕、足。

その傷の位置に、あたしは“ある事件”を思いだしていた。




まさか……





なわけないよね。

皆の名前、違うし……。