10年の片想い







「カオリー。
トウヤからのオッケー出たよ」

「……わかりました。
総長が承りましたので、お受けさせていただきます」




チン、と電話を切るカオリ。

そして再び、あの英語で話し始める。

何を話しているのかは、本当にサッパリ。




「カオリー。
凛と美愛にも聞こえるよう話そうー?
2人はお姫ちゃんなんだよ?」



お姫ちゃん?

なんだか不思議なネーミングだけど、気にしないことにしよう。




「……1時間後、倉庫に来い、だそうです」



倉庫?

ここじゃないの?




「ここじゃないんですか?」



美愛が初めて自分から声をかけた。

美愛は人見知りだからねー。




「ここは倉庫ではありません。
言ってしまえば、たまり場と同じ扱いですね。
倉庫はまた別にありますよ」



あ、そうなの?

キラ、紛らわしいこと言いやがって。