10年の片想い








ただ、突然のこと過ぎて、あたしと美愛は何も言えずに飲み物を飲んだ。

その時。

部屋にけたたましい電話の音が鳴り響いた。




「もしもし」



電話に対応したのは、カオリ。

相変わらず丁寧な口調だ。

なんだか眼帯が気になるけど。




「……お断りします。
別に僕らは先代から受け継いだだけ。
やるつもりはありません」




先代?

あたしはキラを見た。

だけどキラは笑っているだけで、何も言わない。





「カオリー。
別にそれ、受けても良いんじゃない?
ねぇトウヤ、どう思う?」

「……………」




どうやらこの総長、とんでもない無口みたいです。

先ほどから一言も話していないし。

無視されることは日常茶飯事なのか、キラは気にしていないし。




ただ。

聞こえてはいるようで、こくんと頷いた。