「……………」
「カオリ、ボクらだって自己紹介したんだからお相子。
ほら、簡単で良いから自己紹介して」
「……何であの人たちも、僕にああ名付けたんでしょうかね」
「か、カオリくん……?」
いかにも不機嫌そうなカオリくんを見て、あたしは声をかけた。
何だか面白い、てか変わった名前だけど、親しみを感じてしまった。
「カオリ。呼び捨てで良いです」
「あ、そう?」
「乱馬の副総長しています」
ピッとジャケットを直すカオリ。
やっぱり冷静。
美愛もなんだか顔赤くしているし。
「カオリ。
総長いつになったら来るんだ?」
「もうすぐ来ると思いますよ」
その時だ。
カチャッと扉が開いたのは。
入ってきたのは、4人に負けないイケメンだった。
目にかかるほどの長い前髪。
くせ毛で長めの黒髪。
人によっては「イケメン」とも「可愛い」とも取れる綺麗な顔立ち。
前髪の隙間から覗く切れ長の二重の瞳が印象的で、俳優に似たような人いたよなぁなどと考えた。


