アイツら。

それを聞くだけで、本当嫌な気分しかない。




アイツらって言うのは、我が学園のトップに君臨する奴ら。

生徒会より、てか先生たちより偉いんじゃないの?

それぐらいの実力を持つと言っても過言ではないと思う。




アイツらはここら辺で有名な暴走族・乱馬(らんま)の幹部以上からなる集団。

総長・副総長・幹部が3人だっけな?

先生たちより力を持つソイツらは、学校のお金を使い放題。

お蔭で生徒会は、生徒から睨まれる存在となりつつある。

あたしたちが肩身の狭い思いをしているのは、全て乱馬の奴らのせい。

だからあたしたちは、奴らを敵視しているのだ。




乱馬は学校のお金を、何かに使っているらしい。

その“何か”を暴いた人は誰もいない。

学校のトップに近い地位の理事長だけでなく、トップの校長でさえも使い道を知らないんだって。

今回、あたしは身勝手な理事長から、その“何か”―――お金の使い道を調べてほしいと言われたのだ。




「てか美愛、乱馬ってどこにいるの?」

「さぁ……。
暴走族って言いながらも、暴走はしていないみたいだよ。
誰もその姿、見たことないんだって」

「探すこと、それ不可能じゃない?」

「でも探さないって言う道はないよ。
理事長、探さなければ退学とか言って、あたしたち脅してくるもん」

「……マジで最悪、あの理事長。
はーあ、本物の暴走族小説みたいに、ハッキングの力があれば良いのになぁ」

「ハッキングは法律違反だからねー。
ま、かっこいいって憧れちゃうけどね」



はぁ、と美愛と一緒に溜息をついた。