「そういえばさー。
昨日話した子、いるじゃん?
あの子たちが、乱馬について知りたいとか言っているんだよねー。
逃げきれないから、教えても良いー?」




…それから数十分。

相手が許さないみたいで、揉めていたみたいだけど。

キラくんは通話を切り、アハハと笑った。





「良いよって許可もらったよ。
じゃ、行こうか」

「行こうかって…」

「どこにですか?」

「まー着いて来ればわかるよ」



「れっつごー!」と言いながら、キラくんが歩きだす。

あたしと美愛は、恐る恐るついていく。



「信用して良いのかな……」

「わかんない」



美愛とひそひそ話しながら、あたしたちは校門を出た。

すると、校門の前に、流れるようにして黒い高級車が停まった。




「乗って?」



キラくんは微笑むと、中へ躊躇いもなく乗りこんだ。

あたしたちが「え?」と佇んでいると。



「ほぉら!早く!!」



無理矢理背中を押され、あたしたちは高級車に乗りこんだ。