「な、何で九条院財閥の御曹司が乱馬なんて…」
「あれ?
ご存じありませんか。
乱馬の初代総長と九条院財閥の創立者は同じですよ。
先代の総長は、俺の父親であり、九条院財閥の社長です」
く、九条院財閥の社長さんが、先代の総長さん…。
「理事長。
あなたの噂は聞いていますよ。
今、あなたの大事な弟さんが、会社を営んでいるとか」
「ヒッ!?」
「その会社、九条院が買収しましたから。
安心してください。
理由はあなたが俺らの姫に手を出したからと言っておきましたから」
「…………ッ!?」
あら、弟さん残念。
「ば、馬鹿にするなァ!」
理事長が、指を鳴らした。
風が、吹いた。
「ヒッヒッヒッ。
わたしはね、ウルフっていう暴走族の総長と知り合いなんだ。
それだけじゃない、梅田(うめだ)組のヤクザとも知り合いだ。
わたしを敵にまわしたこと、後悔させてやるよ……」
楽しそうに笑う理事長だけど。
周りに現れるはずなのだろうウルフと梅田組は来ない。
理事長が焦って見渡した。
「キラ、やれ」
「はーいっ」
トウヤが指示を出すと、キラが美愛を抱いたまま前に出た。
「こんにちは理事長さん?
ボク、乱馬幹部・相馬雲英デス」
「相馬!?
相馬ってあの、相馬組の……?」
「相馬組?
…ああ、そういえばボクのお父様、組長だっけ?」
キラのお父さんが、ヤクザ!?
めちゃくちゃ初耳なんですけど……。


