恐怖により、一番、愚かな行為をした。 視界を閉じる。 逃げることも立ち向かうことも放棄し、襲って下さいとも言える愚かな行為だがーー私の体に触れる者は誰もいなかった。 誰もいない。 耳だけ澄ませば、隣の部屋から物音がする。 「……」 隣の部屋に、入ったのか。 視界を開く。誰もいない部屋に安堵し、隣にいるであろう“誰か”に気を配った。 私が、一番初めにいた部屋。 そこで。