その数日後、元世界一だった将走が世界一を取り返してきた。
話してるうちに将走の総長がこんなことを言った。
「だって、本当の顔を見せてないんだもん。詩兎に。それ、本当の仲間っていえる?ねぇ、詩兎ちゃん、ホントは知ってたんでしょ?こいつらの気持ち。本当の気持ち。邪魔な存在だってこと」
すぐ、これは詩兎と俺らを貶める為に言ったのだと確信した。
勘だけど。
うずくまっている詩兎に注がれる俺以外の幹部の目が冷たく、鋭かった。
そしてその視線は次に俺に注がれた。
「やれ」と言っているかのように。
鋭く、殺気も入っていた。
それで俺はこう言った。
「違わない」
それから思っているほど簡単に嘘の言葉が口から出てきた。
そう言っている心の奥で、絶望と罪悪感に浸っていた。
俺は馬鹿で最低だ。
どこに好きな奴を傷つける馬鹿がいるんだよ…。
こんな弱い俺に今更詩兎が好きだなんて言えるわけない。
だから、せめて最後の言葉は優しく言いたかった。


