それは、放課後だった。
玄関まで歩いて行くあたし・二瑚・雫・慎くん。
雫と慎くんとは校門出た所でお別れだけど、そこまで一緒に行くのは日課となっている。
「そういえば幸来ちん。
今度一緒に、遊園地行かない?」
「遊園地?」
「そう!
今度私、慎と行くんだけど、もし良かったらダブルデートしない?」
「良い案だな姉ちゃん!」
学校だから、慎くんは姉ちゃんと呼んでいる。
本当は雫って呼んでいるみたい。
「ニコっぺもどう?」
「僕、ですか?」
「うん。
幸来ちん1人じゃ可哀想でしょ?」
「丁度割引券もあるしな」
「……上野先輩は行くんですか?」
「あたし?
……二瑚が行くのなら、行きたいかな」
雫と慎くんのデートに1人で付き合うのは嫌だからねぇ。
ダブルデートにも、前々から興味あったし?
「上野先輩が行くって言うなら、僕も行きます」
ニコッと二瑚は、可愛らしい笑みを浮かべた。
「じゃ決まりね!
次の土曜日、遊園地前の駅に10時でどう?」
「良いよ!二瑚は?」
「良いですよ」
かくして、あたしたちはダブルデートに行くことになりました。


