ーーー皐月ちゃんに疑問を持ったのは、大学に入ってすぐだった。







連絡はとれるけど、2人であんまり会えなくなった。



弘くんも遠くの大学に進学してしまって、なんだか寂しかった。




そりゃあ、私にも大学の付き合いとかあるし、それは皐月ちゃんも同じだっていうのはわかってたから、何も言えなかったけれど。






ある時、同じ高校から皐月ちゃんと同じ大学に進学した女の子に、皐月ちゃんがあんまり大学に行ってないことを聞いて心配で連絡した。





だけどその返事は、“大丈夫だから、心配いらないよ。”というもので。








そういえば皐月ちゃんは、私に悩みを相談してくれたことってなかったな。と思ってしまった。



少し前に急に一人暮らしを始めた時も何か理由がある風だったのに、聞いても教えてくれなかったし。


お兄さんがいるっていうのを聞いたのも大学に入ってからだった。


お母さんが亡くなってるっていうのも大学に入ってから聞いた。



……私が聞く前には、弘くんも知ってたらしい。






そう思うとなんだか悲しくなって、皐月ちゃんには私なんて必要ないのかな、って思った。











それでも皐月ちゃんは相変わらず私の憧れる綺麗な皐月ちゃんのままで、私には皐月ちゃんの存在が大きすぎて、離れることができなかった。