正直、最初は彼女と仲良くする気なんて全くなかった。
でも席が隣なので……。
「次の時間、数学だねー」
「あ、うん……」
「数学苦手。チンプンカンプンだもん!」
「そう、かな」
授業の合間の10分休憩の時とか、なにかと声をかけてきた。
彼女は誰にでもフレンドリーだから、好意があって話しかけてるわけじゃないんだろう。
「俺は数学、わりと好きだけど……どっちかっていうと、英語の方が苦手かな」
「じゃあ丸川くんは理系男子だねー!」
「っ……」
顔立ちは、蛍さんと全然違うはずなのに。
玲奈ちゃんの笑った笑顔が、蛍さんの優しい笑顔と重なって見えた。

