亮くんがいなくなって、徐々に私はいつもの生活を送れるようになった。


高校2年生になった今では、幸せな毎日を過ごしてる。




ただ、今でもたまに思い出す。

夢に見るんだ……亮くんの事を。




「玲奈っ」


「……ん」



授業中にも関わらず寝ちゃってたらしく、目を開くと目の前には裕太の顔のアップ。



「授業中に寝るなんて、悪い子だな」


「仕方ないよ。1時間目の授業……眠い」


「何だそれ。ほれ、俺のノート写しときなよ」


「ありがと」



亮くんの事は誰にも言ってない。


裕太にも莉亜にも。
あの時の事は、できる事なら忘れたい。