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「遅かったね、待ちくたびれちゃったよ」




屋上を出て階段を降りてすぐの踊り場。そこには何故か彼女がいた。


窓から入り込む風で、長い黒髪を靡かせて。まるで彼が来る事が分かっていたかのように笑った。




「…き、如月さん?」

「乙樹が屋上に少し用があるって言うからもしかしてって思ったんだけど、当たりだったみたいね」




何かもかも悟ったように微笑む如月さんは、どこか寂しそうだった。


そして桐生君を見て、目を細めた。




「…蓮が私にそんな目をするなんていつぶりだろうね、真っ直ぐで、強い眼差し…」




目を逸らす事なく見据えている桐生君には、如月さんと小田切君を見て逃げ出した面影はない。