だが、そんな願いは叶えられるはずもなく。 レイは私から離れた。 「カロッサ…住む場所も行く場所も、今のお前にはない」 …そうだな、確かにない。 私はどれだけ虚しい人間なのか。 「だから、ここに住め。お前の居場所を、俺が作るから」 彼の強かな瞳に釘づけになる。 雨の音が遠ざかっていった気がした。