願い事を一つだけ。【短編】

部屋に戻り、菊乃姉と話していると携帯のバイブが鳴った。


ディスプレイには《千崎》。

今度は電話のようだ。


「いいわよ出て。本読んでる」


チラリと菊乃姉を見ると、菊乃姉はひらひらと手を振って適当な本を読み始めた。


「もしもし、千崎?」


千崎(Senzaki)は小学校からクラスが同じの男子。

『あー間宮!相談乗ってくれ!』


「いいけど急に何?」


『俺、女テニの朝美ちゃんが好きなんだよ!』


うわぁ、急なカミングアウト。


「そ、そう」


『でさぁ、朝美ちゃんって何色が好きなんかね?』


「色ぉ?水色だけど、どうして」


『ヘアゴムとかプレゼントしてぇなって。髪長ぇじゃん?』


確かに朝美は長い綺麗な髪をしている。


「ん、いいんじゃない?」
『サンキュー!んでお礼とはなんだけどさー俺にできることある?』


単純だな、なんて思ったのは秘密。


そういえば、千崎ってサッカー部だったな。

こいつ口固いし貸しも作ってるし、相談してみようかな…


「じゃあ私も相談がある」