軍事国家組織本部。時刻07:42。

この時刻、室内には静けさが走っていた。

軍人の彼らは、ロメオ大佐からある任務を与えられ、情報を集めようとサクサクと作業に取り組んでいた。

その任務とは、ヤクトに住み着く死神の詳細情報を集める事だった。

皆、分厚い本や資料を大量に持ち込み、1ページ1ページ、丁寧に読んでいく......。

そんな中、扉の開く音がした。

キーー......。

「将軍!」

そう言った一人の軍の男は、彼に駆け寄った。

「犯人の手がかりは掴めましたか?」

そう言って、彼の方に目を向けた。

そこには、まず、将軍に抱き抱えられた若い女性の姿が目に入った。

「......その女性は?」

「クロユリ崖で見つけた自殺願望者だ」

彼は、そう言い、この部屋唯一のソファーの上へ、丁寧に彼女を寝かし付けた。

「......またですか。もう、あの当たりの地区は、誰も住んでいませんし......封鎖をするのがいいのでは?」

一人の軍の女性は、呆れた顔を浮かべ、言った。

「そうはいかない。一人、森に近い場所に住み着いている若い男がいるんだ。あの男を誘導するのはそう簡単じゃない。この間、危険だから地区を離れるようにと言ったのだが、頑固拒否されたよ」

「......シルバさんのことですか?」

いつの間に、目を覚ましていたのだろうか......?

「目を覚ましたのですね」

そう言って、メガネのかけたショートヘアの軍の女性は、テーブルの上に紅茶を置いた。

「ミルクはいる?」

「いらないわ」