兄妹の鬼の先に待つもの




ここはどこ?

太陽が木々の隙間から見えてはいるが、どこかの暗い森の中のようだった。

私トラックが倒れてきて死んだの?

でも死んだなら森なんかにいるはずないか。

ひとまず町かなにかないか探してみよう。

私は森の中を進み、町のような所に出ることができた。

しかし、町を歩いている人はみんな袴や着物を着ている。

もしかして、いやもしかしなくても私タイムスリップしたのかな。

じゃあここは江戸時代?

「キャー!」

そんなことを考えているとどこからか女の人の悲鳴が聞こえてきた。

私は走って悲鳴が聞こえた場所に駆けつけた。

「そこの娘!俺と遊ぼうではないか。良いことをしてやるぞ?」

浪士らしき男が女の子の腕を引っ張って連れて行こうとしていた。

「いやです!離してください!」

「そこの浪士、手を離してやれ。嫌がっているだろう。」

「あ?小僧お前には関係のない事だろう。
斬られたくなかったら大人しく黙ってろ!」

「お前みたいな女を口説くのも下手な奴になんて斬られたくないね。」

「何だと?このクソガキ!そんなに斬られたいならお望み通り殺してやるよ!」

浪士は今の格好を見て私を男だと判断したようだった。

タイムスリップした時に服装が変わったようで、袴と木刀を身につけていた。

「だからお前みたいなやつには斬られたくないんだって。
バカだなぁ。」

私はわざと浪士を挑発する。

浪士は挑発に乗って隙だらけの攻撃を仕掛けてきたから、しゃがんで鳩尾に一発入れてやったらすぐに伸びた。

結構弱かったな。

「あの。」

「ああ大丈夫ですか?」

「はい!ありがとうございました!ここの甘味処で働いてる鈴です。今は店が空いてないので明日また来てもらえませんか?助けてもらったお返しをしたいんです。」

「ああ分かりました。また明日この時間に。」

「本当にありがとうございました!
お名前をお聞きしてもよろしいですか?」

「神崎です。」

そう言うと鈴さんは頬を少し赤くしながら

「分かりました。ではまた明日!。」

と言って店の中に入っていった。