雄大なラトセーヌの木々を背に半円を描いて、ラトセーヌの泉はゆったりとその水を蓄えていた。
穏やかな水面は周りの景色を鏡のように映し出し、その水は透明度が高く、不純な物は一切含まれていないのがよく分かる。水底の丸い小石の色さえ鮮明に見えた。
まるで絵画のような景色の中で、白い衣装を身に纏った美しい女性が祈りを捧げている。
それがジュリア姫だった。
ジュリア姫は胸の辺りで両手を重ねて握り、目を閉じている。そして何の呪文もなしにふわりと泉の上に浮いた。
「 聖なる森よ 泉よ
悠久の時間を経て 蓄えられしその力
どうか我らに与えたまえ
その力で我らの身を心を癒し
我らに栄光を 」
姫がそう願うと泉は黄金に輝きだした。黄金に輝く水面に反射して森の木々も輝く。
光は一層強く光って、あまりの眩しさに腕で目を覆った。
しばらくして光が収まった頃、再び目を開けると、姫は地面に降りたってあたし達に微笑んでいた。
「大丈夫ですか?」
「ええ…」
何が起こったか分からないままに返事をする。
姫は晴人さんから器を受け取ると泉の淵にしゃがんで、その水を掬った。
それからあたしに差し出すと「どうぞ、いただいてください」と微笑む。
「きっとこれで回復するはずですわ」
穏やかな水面は周りの景色を鏡のように映し出し、その水は透明度が高く、不純な物は一切含まれていないのがよく分かる。水底の丸い小石の色さえ鮮明に見えた。
まるで絵画のような景色の中で、白い衣装を身に纏った美しい女性が祈りを捧げている。
それがジュリア姫だった。
ジュリア姫は胸の辺りで両手を重ねて握り、目を閉じている。そして何の呪文もなしにふわりと泉の上に浮いた。
「 聖なる森よ 泉よ
悠久の時間を経て 蓄えられしその力
どうか我らに与えたまえ
その力で我らの身を心を癒し
我らに栄光を 」
姫がそう願うと泉は黄金に輝きだした。黄金に輝く水面に反射して森の木々も輝く。
光は一層強く光って、あまりの眩しさに腕で目を覆った。
しばらくして光が収まった頃、再び目を開けると、姫は地面に降りたってあたし達に微笑んでいた。
「大丈夫ですか?」
「ええ…」
何が起こったか分からないままに返事をする。
姫は晴人さんから器を受け取ると泉の淵にしゃがんで、その水を掬った。
それからあたしに差し出すと「どうぞ、いただいてください」と微笑む。
「きっとこれで回復するはずですわ」



