「古文書から古代使われていた魔法のスペル(呪文)を発見して、それを復活させた」
その報告が今回の課題だったと翔太は語った。
「大分難しいし魔力も相当持っていかれるけど、面白いな。あれが実践で使える様になればきっと攻撃に幅が出るだろう」
きっと面白い戦いになると翔太が言うのを見て、あたしは複雑な気持ちになった。
「由良?どうかしたか?」
異変に気付いたのか、翔太は不思議そうにあたしの顔をじっと見つめながら尋ねる。
「もう、戦わないで」
それはあたしの願いだった。
翔太は強い。
きっと"サファイア"での訓練もそうだし、本人も相当努力してきたんだろう。
咄嗟の判断も機転も、翔太は他の人よりよほど優れている。
それは一緒に戦ったことがあるから分かっている。
分かっているけれど。
もう、傷ついてほしくない。
大切な人が傷つくのは嫌だ。
傷つくのも嫌だけど、もし誰かにやられたりしたら。
もし、何か凶悪なものと戦って死んでしまったら。
…そんなの、考えるだけでも嫌だ。
あたしが何も言えずに黙っていると、翔太はその手をぽんとあたしの頭に乗せた。
「ばーか」
柔らかいその声に顔を上げると、翔太が優しく微笑んでいた。
「俺がやられるわけねえだろ」
本当に由良あほだなと小ばかにしたように言う。
その報告が今回の課題だったと翔太は語った。
「大分難しいし魔力も相当持っていかれるけど、面白いな。あれが実践で使える様になればきっと攻撃に幅が出るだろう」
きっと面白い戦いになると翔太が言うのを見て、あたしは複雑な気持ちになった。
「由良?どうかしたか?」
異変に気付いたのか、翔太は不思議そうにあたしの顔をじっと見つめながら尋ねる。
「もう、戦わないで」
それはあたしの願いだった。
翔太は強い。
きっと"サファイア"での訓練もそうだし、本人も相当努力してきたんだろう。
咄嗟の判断も機転も、翔太は他の人よりよほど優れている。
それは一緒に戦ったことがあるから分かっている。
分かっているけれど。
もう、傷ついてほしくない。
大切な人が傷つくのは嫌だ。
傷つくのも嫌だけど、もし誰かにやられたりしたら。
もし、何か凶悪なものと戦って死んでしまったら。
…そんなの、考えるだけでも嫌だ。
あたしが何も言えずに黙っていると、翔太はその手をぽんとあたしの頭に乗せた。
「ばーか」
柔らかいその声に顔を上げると、翔太が優しく微笑んでいた。
「俺がやられるわけねえだろ」
本当に由良あほだなと小ばかにしたように言う。



