ド天然!? 魔女っ子の秘密【2】

チーリンの足下を凍らせていた氷が、バリンと大きな音を立てて地面ごと割れ、いくつもの巨大な尖った岩が地面から生えてくる。

それがあたしの足にも直撃した。

気づくのが一瞬遅れて、避けきれなかった。


「っ!」


左足にズキリと痛みが走り顔が歪む。


「由良!」

「いいから、チーリンを!」

あたしのもとに駆け寄ろうとする翔太にそう叫ぶと、しょうははっとして厳しい表情をすると「もう無茶はするなよ」と言った。

その言葉にあたしは笑ってみせたのだけど、翔太はほほえみ返してはくれなかった。

足の痛みがじわりじわりとその周りに広がって痺れていく。寝不足のせいで頭も重く、ぐわりと体が揺れる感覚がしている。

ただでさえ体調が万全ではないのに、こんな状態でまともに戦えるわけがない。

どうしよう、と思った時だった。


そもそも、あたしはチーリンと戦わなくてはいけないの?


戦わなくてはいけない理由はなんだろう。

目的はチーリンを封印すること。そのために動きを止めること。目的を達成することに、戦うことはほんとうに必要なの?


「馬鹿!何ぼーっと突っ立ってんだ!お前も逃げとけ!」

翔太が叫ぶ。

微かにジジジ、とあの音が聞こえる。

チーリンは藻掻くように長い首を左右に振り続けている。


ああ、そうだ。

あたし達は何も、戦わなくてもいいんだ。