ド天然!? 魔女っ子の秘密【2】

ラトセーヌの森は原生林で構成されている。そしてそのどれもが巨木であり、例え切り株であろうとも乗り越えるには時間がかかりすぎる。

そういうわけであたし達は整備されて通りやすくなっている西の方に森を抜け、そこから瞬間移動で森の東側へと向かうことにした。

結界で覆われているラトセーヌの森内部では移動魔法は使えないけど、結界の外に出れば可能になる。魔力が不安定になるから危険だとクリスさんは言っていたけれど、今は一刻を争う。

結界の外に出ると同時にあたし達は瞬間移動の魔法を使った。


「"モーメント・ムーブ"」


ごうっと風が吹き荒れ、目を閉じる。

目を開けた先にあったのは、傷ついた衛兵たちと立っているのもやっとの様子の譲二さん、そして__雄たけびを上げる巨大な魔物の姿。

今回の相手は、これか。

あまりに巨大な魔物に一瞬怯むが、魔物の攻撃の隙をついて譲二さんの方に駆け寄る。


「譲二さん!」


あたしの声に驚いたように譲二さんは振り返った。


「"ガーネット"の…"サファイア"のも…」


譲二さんは体中傷ついていおり、口の中も傷ついたのか血を吐き出している。


「どうして、ここに…姫、は…」

「姫は結界内にいるので無事です!それより譲二さんの方が…衛兵の皆さんも…!」


すると譲二さんはキッとあたしを睨みつけて言った。


「俺らのことなんざどうでもいい。それより結界を__」

「ぐだぐだ話している場合じゃないみたいですよ!」


翔太の焦ったような声が聞こえて振り返ると魔物がこちらの方に近づいてきていた。